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内痔核　
　　内痔核（いぼ痔）の症状は排便時の出血、違和感、脱出などです。軽度のものであれば、排便後の局所の洗浄と軟膏剤の肛門内への注入により症状を改善させることができます。こうした保存療法でも症状が残る場合、当院では、内痔核に対する四段階注射法による硬化療法（ジオン注）という手術を施行しています。内痔核にALTAという薬を注射して痔を縮小・硬化させる治療方法です。皮膚に傷を残さないので、術後の痛みも少なく、出血も少ない、日帰り手術に適した手術方法です。内痔核による痛み、出血、脱出にお悩みの方には、ぜひお勧めします。尚、外痔核や皮垂（skin tag）が主体となる場合など、すべての痔が対象になるわけではありません。

外痔核
　（血栓性）外痔核は、強くいきんだときなどに肛門の皮膚の下で出血し、血栓（血のかたまり）を形成することで、発生します。保存療法（軟膏を塗ります）で改善しない場合、局所麻酔で行う血栓除去術を行っています。切開して、中の血栓（血のかたまり）を除去する手術によって、強い痛みがある場合はとても楽になります。

裂肛
　裂肛（切れ痔）の症状は排便時の痛みです。軽度のものであれば、排便後の局所の洗浄と軟膏を局所にに塗ることにより治癒する場合があります。こうした保存療法でも症状が残る場合、あるいは、慢性的な切れ痔は治りにくく、繰り返して肛門が狭くなっている場合、スライディングスキングラフト（SSG）という方法で手術を行っています。

肛門周囲膿瘍・痔瘻
　肛門の周囲に膿がたまった状態が肛門周囲膿瘍です。強い痛みや熱感を伴うことが多いです。切開し、膿を出す（排膿）ことが必要です。
　肛門周囲膿瘍が治癒したのち、瘻孔という通路が残った状態を痔瘻といいます。状況に応じた手術を選択することが大切です（くりぬき法、開放法、seton法など）。
 
　便通を整え、肛門付近を清潔に保つことが痔の治療には欠かせません。緩下剤内服等により便秘をおこさないようにし、排便後は十分に洗浄する習慣をつけるようにしましょう。
 
　痔にはいろいろな種類があり、また同じ内痔核であっても、どの治療方法が適しているかは、診察してみないとわかりません（診察は痛くはありません）ので、まず一度来院し、ご相談ください。